もう一度英語を勉強し直したいけど、何から手をつけていいかわからない。
英語を話せるようになるための効率的な勉強法が知りたい。
本記事では、このような疑問にお答えします。
英語学習の最終的なゴールは、多くの場合「外国人と英語でコミュニケーションを取れるようになること」ですよね。
私たち日本人の多くは、英語を話せるようになりたいのに、間違えた英語学習をしている人がとても多いです。
外国人と英語を使ってコミュニケーションを取れるようになりたいのであれば、
英語を「聞くことができる(リスニング)」「話すことができる(スピーキング)」ための学習をしていかなければなりません。
「一発奮起して英語を勉強するため単語帳を買ってきたけど、1ヶ月も続かなかった」
似たようなことでも、身に覚えがある方は少なくないのではないでしょうか。
このようなやり方では、あまりに効率が悪く、結果として挫折に繋がることがあります。
私は英会話講師として、幼児から大人まで英語学習をサポートしてきました。
そして自分自身も英会話講師でありながら、話せるようになるための英語学習を模索し続けてきました。
今回は中でも日本人が苦手としがちなスピーキング(英語を話す分野)について、
・元英会話講師をしていた私がつまづいた日本人あるあるな経験
・効率よくスキルアップしていくための3つのステップ
を解説していきます。
苦い思い出と私のやり直し英語

身の丈話になりますが、私自身の英語人生がスタートしたのはごく一般的な中学校から。
塾に通うわけでも、特別な教材を使ったわけでもありませんでしたが、学校の授業ではそれなりにやって来れていました。
その後、大学進学時に英文学科を選択。
在籍中にアメリカで海外インターンに参加し、企業でインターン生として働かせてもらっていました。
卒業後は、外資系企業に就職しました。
結婚し子育てする傍らで勉強し、教員免許を取得。
TOEICのスコアも895ほど所持していたおかげか、英会話スクールでも割とすんなりと採用してもらえることに。
そんな私の自負を打ち砕く出来事が。
ある日、レッスンの準備をしていた時に“dice”という単語が目に留まりました。
隣に座っていた帰国子女の先生に
「diceってなんだっけ?」
と聞いてみたところ・・
「え!!!!!キコさんマジですか・・?!サイコロですよ?!!!」
とドン引きされてしまいました(泣)
ものすごく恥ずかしくて、“dice”の意味も知らない自分が講師をしていていいのだろうかとその晩は中々寝付けないほど(泣)
weblioによると、“dice”は最難関大対策レベルの難解単語とされています。
えーーー!サイコロですよ?!
日本語なら3歳児でも知っている子がいる言葉なのに、英語では今まで知る機会がなかった。
加えてネイティブとの会話の際も聞くことはできても、スピーキングはどちらかというと苦手。(よく英会話講師やろうと思ったものです。)
TOEICや英検はそれなりに結果を出せてきたのに・・
英会話講師でありながら、まさに日本人の英語の典型例でした。
この日から私のやり直し英語が始まります。
ここからは、私が「英語を話せるようになる」ために試して、効果があったと思う学習方法をご紹介していきます。
子供ほど耳もよくなければ言語習得能力も劣る大人が、英語を話せるようにするにあたって、以下の3つが重要だと考えます。
・いかに多くの単語を使えるか?(語彙力)
・いかにネイティブの発言を聞き取れるか?(リスニング)
・いかに間違いを恐れずに英語を発声できるか?(スピーキング)
英語を話せるようになるには、どんな語彙も知っているに越したことはないです。
でもTOEIC対策で使うような小難しい英単語よりも、”dice”のように比較的身近な語彙をたくさんインプットすること。
英会話である以上は、相手の話していることを聞き取る力も大切。
リスニングは英語学習と切っても切り離せない分野と言えます。
そして最後に、言わずもがな自分自身のスピーキング力。
ここではこの
・語彙力
・リスニング力
・スピーキング力
に絞って、効果的な学習方法をご紹介していきます。
まずは身の回りのものから!使える語彙力を身につける

単語といっても、動作を表す「動詞」というものは中学校レベルまでマスターしていたら日常会話くらいは難なくできるものです。
“make”という単語一つとっても、「作る」「組み立てる」「儲ける」・・など様々な意味があります。
今まで習った動詞を丁寧に見直すことで、日常英会話は乗り越えることができるでしょう。
問題となるのはやっぱり名詞。
英語で言えるモノの数が多ければ多いほど、話題がふくらむのは想像に容易いですよね。
ここでは、私の考える“会話で使える単語の最強習得方法”をご紹介します。
単語帳は必要ない!おすすめの単語習得方法
いわゆる世で売っている単語帳とは、英語が書いてあって右側に日本語書いてあるようなものがほとんどではないでしょうか?
テストに備えるために単語を勉強するのであれば、その方法も有効と言えます。
でももし、英会話ができるようになりたいという目的で単語を習得するならその方法は非効率かもしれません。
ポイントは、日本語を挟むことなく英語は英語のまま覚えること。
「話す」と言うことにスポットを当てたとき、日本語を介す癖があるとどうしても時間がかかってしまうからです。
また単語帳に載っている英単語の中には、実際の英会話では使わないものも多くあります。
例えば高校2年生で習う英単語の一つに、“civilized”(文明化)があります。
人と会話する際に「文明化」という言葉を使う機会なんて、一体どれほどあるものでしょうか?
そういった難しい英単語は学校の授業で習うのに、毎日使う“rice cooker”(炊飯器)が掲示されている教科書は、現行のものだと1つしかありません。
これがどんなに学校で英語の成績が良くても、TOEICで良いスコアを取れたとしても、英語を話せるようにはならない大きな理由です。
・英会話を楽しめるようになりたい
・海外旅行をしても困らないようになりたい
という目的がある方は、まずは日常生活で目に付くものの単語を片っ端から覚えることから始めて見ましょう。
そのほかにも、中学校3年間で習う英単語くらいは日常で使わないようなものも覚えておいた方が良いですね。
と言う方は、ピクチャーディクショナリーがおすすめ。
おすすめは“WORD BY WORD Picture Dictionary”。
こちらは私が勤めていたスクールでも実際に使用していたもの。
自分でもかなり読み込んでボロボロですが、とてもわかりやすく良い教材なので子供にも同じものを使ってもらう予定です(笑)
ピクチャーディクショナリーのメリットは
・実際に日常生活で使う単語を覚えられる
・日本語を挟むことなく、モノと英単語を結びつけることができる
ということです。
私たち日本人は、英単語を学ぶ際に日本語で意味を確認しながら習得してきました。
でもそれではペーパーテストはクリアすることができても、実際の会話ではあまりにタイムロスが多すぎます。
加えてお子様がいる家庭では、この方法でモノの名前を最初から英語で教えることができます。
学校教育で本格的に英語の勉強が始まる以前から、英語でモノの名前を言えるようになっておくことは大きなアドバンテージです。
podcastを使ってリスニング練習

ポッドキャストはリスニング教材として良質な番組が多いです。
音声のみなのでラジオ感覚でリスニング練習ができ、家事の最中や移動中などに聞くことができます。
ここでは、話すための英語学習に使えるポッドキャストのチャンネルを3つご紹介します。
- バイリンガルニュース
- 英語聞き流しーSAKURA English school
- TED
①バイリンガルニュース
ネイティブスピーカーのマイケルと日本人バイリンガルのマミがバイリンガル形式で、とあるトピックに対して、会話やディスカッションをしていく番組。
バイリンガルニュースでは、普段自分では興味を持つことのないテクノロジーだったり海外の政治問題についてなどもわかりやすく取り上げているので、普通の番組として楽しめます。
(少し際どい話題などもあるので、子供の前での視聴は注意!)
この番組のリスニング練習として最適なのは、会話やディスカッションの部分。
マイケルの話す英語は、ナチュラルなスピードで聞きやすいです。
また間の取り方だったり、相槌の打ち方などもTheネイティブなのでとても勉強になります。
一方で、冒頭にマイケルがニュースを読み上げる部分は、速度も結構早い上に聞き慣れない単語なども出現するので難易度はやや高めです。(必ず前後にマミが日本語訳を入れています。)
なお、バイリンガルニュースでは文字起こしのテキスト(スクリプト)も月額240円で利用することができます。
意味を確認したい方や、オーバーラップで練習したい方などは利用してみると良いですね。
②英語聞き流しーSAKURA English school
フレーズごと覚えたいと言う方におすすめ。
フレーズを2回再生→日本語訳→フレーズ
と言う流れで展開されていきます。
例えば、こんな感じです。
“I’d like that.”
“I’d like that.”
(ぜひ)
“I’d like that.”
ですが、基本的に大人の場合は聞き流しているだけで話せるようになるのは難しいです。
このpodcastのおすすめの使い方は、必ず聞いたフレーズのいくつかをその日のうちにアウトプットすること。
家族でも、独り言でも、次の章であげるオンライン英会話など何でも良いので、必ず口にしてしっくりくるようにしましょう。
大人の場合、フレーズと言うのはただ聞くだけでは高確率で忘れてしまいます。
少しずつで良いので、ぜひ!!
③TED
TEDはYoutubeで視聴したことがある人も多いのではないでしょうか?
各界の講演者が渾身のプレゼンテーションを行う番組です。
こちらはかなり上級者向け。
トークのスピードも早いものが多いです。
実はTEDは、大学在学時の英文科の教材としてよく使用されていました。
プレゼンをリスニング→英字幕を見ながらシャドーイング(後を追いかけて発声する)
と言った使い方です。
これが結構きついのですが、すごく口が回るようになりました!
それだけ生きた英語が学べると言うことですね。
映像なしのpodcastでどれくらい聞き取れるか、力試しに使ってみてください。
パターンプラクティスと英会話

英語を話せるようになるためになんとしても避けて通れないのが、実際に話す練習。
英語は言語なので、どんどん使わなければ話せるようにはなりません。
とは言っても、日本人が一番苦手なのがまさにスピーキング。
日本人ならではの国民感に「英語が話せる」を0か100かで捉えているという問題が根強いです。
過度に間違いを恐れたり、ある程度話せるようになったら英会話を試してみよう!!
という方は永遠に話せるようにはなりません。
まずはガンガン自分から話す!と言う経験を多く積んでいきたいところです。
ステップとしては、
パターンプラクティスで練習を積んだあとに、英会話を実践してみる
と言う方法をおすすめします。
パターンプラクティスで作文能力を身につける
パターンプラクティスとは、文法を身につけるための練習のことを言います。
具体的には、
I play soccer.
He plays soccer.
She plays soccer.
I and she play soccer.
と言ったように、少しずつ文に変化を加えていくことで英文を作文するスピードがアップしていくと言うものです。
おすすめは“どんどん話すための瞬間英作文トレーニング”。
しっかりやり抜けばそこそこの作文能力が身に付くはず。
このパターンプラクティスした文を何度もぶつぶつ繰り返しながら、口で慣らします。
これは本当に効果抜群なのでぜひおすすめしたいです。
真剣にやり抜けば、簡単な英文なら瞬時に作れるようになります。
実際にネイティブと話しまくる
現在の日本において、気軽にネイティブと話せる環境にある人はそうそういないと思います。
でも英会話の練習をするなら、やっぱり英語話者と練習が断然おすすめです。
身近にネイティブだったり、ネイティブ並の英語を話せる人がいるなら、それに越したことはありません。
いない場合はオンライン英会話がおすすめ。
家にいながら好きな時間にレッスンを受けることができる上、価格も一般的な英会話スクールと比べるとリーズナブル。
もし万が一、話していて講師とウマが合わなかったら次から講師を変えれば◎。
間違いを連発して気まずい思いをしたとしても、きっとリアルで会うことはないのでそこまで気にせずに済みます(笑)
とにかく、間違いを恐れずにたくさん英語を口にすることを意識してみてください。
目標はネイティブ側が話す量よりも、あなた自身が多く話すこと。
あくまでここはお金をかけて参加しているアウトプットの場ですので、ネイティブは聞き役に徹してもらうイメージです。
ちなみに私はDMM英会話を利用していましたが、必ずトーク終了後にフィードバックが送られてくるので、とても勉強になりました。
まずは短時間で良いので、できるだけ毎日レッスンを受けることをおすすめします。
そうすることで英語を使おうというスイッチが入り、モチベーションや継続にも繋がるからですね。
英語はとにかく挫折する人が多いので、早いうちに習慣化してしまうと楽です。
今は時代の流れもあって、オンライン英会話が豊富ですよね。
他のものも試しながら、追記していきたいと思います。
まとめ
・大人が話せるようになるためには「語彙力」「リスニング力」「スピーキング力」を向上させることが重要
・語彙力はまずは身の回りの単語から。ピクチャーディクショナリーなら効率よく学べておすすめ
・忙しい大人のリスニング教材としては、ポッドキャストが◎。おすすめの番組は①バイリンガルニュース②SAKURA English school③TED
・できるようになるのを待たずにスピーキングの練習をガンガンすること。口慣らしの練習はパターンプラクティスで。周りにネイティブがいない場合はオンライン英会話がおすすめ。
いかがでしたか?
今回は英語を話せるようになるための、大人のやり直し英語について解説してきました。
ポイントは毎日英語に触れること。
日本にいる以上、普段は中々英語を耳にする機会がないもの。
意識して英語を日常に取り入れてみましょう。