子どもに習いごとをさせたいけれど、体操と新体操で悩んでいる
体操は体がムキムキになったり、背が伸びなくなったりしないか?
新体操はやっぱりお金がかかるの?
本記事では、このような疑問にお答えします。
幼児期の習い事ランクイン常連の一つが体操。
女の子なら、新体操も人気ですよね。
適切な運動は、子供の健康のためにも必要不可欠。
特に、現代は昔よりも子供たちがのびのびと体を動かして遊べる場所が少なくなってきています。
どんな運動系の習いごとも「運動神経の向上」と「子供の成長を促す」という点では共通したメリットであると言えますよね。
中でも、体操・新体操は
・礼儀作法を学べる
・集中力がつく
・忍耐力がつく
・自信が持てるようになる
と言ったメリットがあります。
今回は、体操と新体操の違いやかかる費用、始めるのにベストな時期について詳しくご紹介していきます。
・体操と新体操のメリットとデメリット
・体操と新体操を習うのにかかる費用
・体操と新体操を始めるのにベストな時期
体操を習うメリット・デメリットは?
一般的に、体操というとマットや鉄棒、跳び箱などの器械体操的な要素を含んだものを想像するのではないでしょうか?
記憶に新しい東京オリンピックで橋本大輝選手らが美しい体操を披露し、感動を覚えた方も多いはず。
ここでは幼児期に体操を始めるメリット・デメリットについて解説していきます。
幼少期に体操を始めるメリット
小学校の体育で困らない
小学校では、なぜか体育のできる子には人気者が多い気がしませんか?
プロのスポーツ選手を見て憧れる気持ちが大人にもあるように、子どもの世界にもやはり羨望の気持ちが生まれるのは運動が多い気がします。
我が家が体操を選んだ一番の理由がこれでした。
テストの点数などと違って、体育のできる・できないは一目瞭然。
私自身は運動がそれほど得意ではなく、毎回体育の時間やレクリエーションの時間が苦痛でした。
高校生の時なんかは、体育のさぼり組常連になってしまうほど(笑)
それほどまでに、物心ついた子供にとって、目に見える結果を人前で晒されるのは気になるもの。
努力を重ねて「できた」という経験は、子供の自信につながります。
私のように軽いトラウマになってしまう前に、小学校の体育で困らない程度に器械運動に触れられるのは体操を始める大きなメリットと言えるでしょう。
免疫力がアップして強い体になる
体操は新体操と比較しても、器具を使った競技が多く筋力がアップします。
筋力がつくことで血流も良くなり体温をしっかりと維持できるので、風邪を引きにくい強い体作りに繋がっていきます。
また体の使い方を覚えるようになることで、転びそうな時に大きなケガをしないような体制をとることができたり、転ばないようにバランスを取ることができるようになります。
ルールの守れる子になる
体操で使用する器具は何個も用意されているわけではありません。
他の友達と交互に使うことや、譲ることなど様々なルールを守れるようになっていきます。
習いごととして体操を始めるデメリット
怪我のリスクがある
まず、怪我をするリスクがあるのはデメリットと言えるでしょう。
念の為スポーツ保険のようなものの加入を勧める教室も多いようです。
しかし子供のうちはそこまで大きな器具を使ったりしないため、大怪我をするというのは考えにくいです。
また幼少期に適切に転んだり怪我をすることで、体が覚えて予防策を取れるようになるので、大きくなってからの大怪我を防ぐことができます。
チームワークは養われにくい
体操の大半は個人競技。
幼少期にスポーツを通してチームワークを学んでほしいと言う方も多いと思いますが、他のスポーツと比べても体操は個人戦になることが多いというのは心得ておきましょう。
しかし友達と一緒に取り組むことは少なくても、友達が一生懸命取り組んでいる姿を応援するなど、他者を思いやる気持ちは育ちます。
身長・体重の懸念
また体操を習う上で
「背が伸びないかもしれない」
「女の子なのに筋肉がムキムキになったらどうしよう」
と懸念する方が多いようです。
しかし娘が通う体操クラブのコーチによると、自重以上の筋トレをしない限りはそのような心配はいらないそうです。
まして、幼児の体操教室ではそこまで負荷のかかる体操は行わないのでこの点は大丈夫。
たくさん食べてたくさん運動させてあげましょう。
幼少期に新体操を始めるメリット・デメリット
一方で新体操は、体操と大きく異なるのは音楽に合わせて演技をすることと手具を使用します。
女の子は髪型もシニヨンにしてメイクをしたり、レオタードを着て、なんだか華やかなイメージですよね。
新体操は他のスポーツでは身に付かないようなメリットも多いですが、懸念材料も少なくありません。
ここでは新体操を習うメリット・デメリットについて解説していきます。
新体操を始めるメリット
リズム感がつく
新体操は音楽に合わせて演技をするため、リズム感がつきます。
現在小学校の体育では、ダンスが必須。
新体操でつちかったリズム感を生かして、ダンスの道に進む方もいます。
柔軟性・バランス感覚が身に付く
新体操の基本は柔軟。
いかに体を柔らかくして、表現するかというのが重要になってきます。
また「後ろ持ちバランス」などの競技を行うために、体幹やバランス感覚が鍛えられます。
柔軟で体幹のしっかりした体型は、大人になってからの腰痛や怪我などの大きなトラブルを避けることにも生きてきます。
表現力が身に付く
表現力というと、アートの世界を思い浮かべる方も少なくないかもしれません。
でも新体操は自分の体を使った一種のアート。
そして、表現力を身につけることで感受性が豊かになり、相手の気持ちを考えられる優しい子になるとも言われています。
姿勢や所作が綺麗になる
新体操を始めることで背筋がスッと伸び、姿勢が良くなります。
姿勢が美しい人は、若々しくしっかりとした印象を持たれるもの。
そして、猫背を矯正するのは思ったよりも大変です。
習いごとを通して、綺麗な姿勢を身に染み込ませられるというのは大きなメリットであると言えます。
また新体操は競技の美しさを追求するためにも、指先にまで神経を尖らせるスポーツ。
新体操やバレエをやっていた人は、日常的にも所作が美しい人が多いです。
これらは一朝一夕で身につくものではありません。
育ちの良さが出るという点でも、大人になってからも大きなメリットとなると言えます。
新体操を始めるデメリット
華やかに見えるがとにかく練習が厳しい
新体操の基本は一も二にも柔軟運動。
華やかさの裏には血の滲むような基礎練習があります。
教室によって異なりますが、最初からリボンやフープなどの手具を持たせてもらえないところも。
「かわいい」などのイメージだけで選んでしまうと、ギャップに驚くかもしれません。
骨折などの怪我・腰などを痛めやすい
新体操は見てわかるように、腰や骨盤、股関節に負担のかかりやすい競技です。
選手の中にも、腰痛で悩む人は少なくありません。
また体型維持のためのウエイトコントロールなども原因となって、疲労骨折なども起こりやすい競技であります。
幼児期はとにかく基礎を積むためこのような過度な怪我は起こりにくいとしても、続けていく上ではこうした怪我のケアや体型維持のための努力を覚悟しておく必要があるでしょう。
発表会の費用が高い
体操と大きく異なるのは発表会がある点でしょう。
バレエほど豪華な舞台セットを組んだりはしないものの、会場代や衣装代、曲のアレンジ代(プロに頼んだ場合)など様々な諸経費がかかってきます。
またレオタード等はオリジナリティを出すために親が手作りするという教室もあり、ある程度の親のサポートは覚悟しておかなければなりません。
選手になると経済的な負担も大きく、時間もかなり拘束される
選手に選ばれるのは喜ばしいこと。
しかしながら月謝はぐんと跳ね上がり、経済的にも物理的にも大きな負担になることは頭に入れておきましょう。
中学校、高校・・と選手を続けた場合、週5〜7日は強化レッスンとなることもザラな世界。学業との両立も、きちんと考えておくべきでしょう。
体操と新体操:月謝の相場やかかる費用は?
正直なところ、親が一番気になるのがなんと言っても費用!!
体操教室と新体操、それぞれのかかる費用についてご紹介します。
体操教室にかかる費用
・入会金 :¥3,000〜¥10,000程度
・月謝の相場(幼児/週1):¥5,000〜¥8,000程度
・ユニフォーム代
・スポーツ保険など
体操教室は、他の習い事と比較しても低〜同等の月謝を設定している教室が多いです。
その他にも、初期費用として指定のユニフォームがある場合は購入し、万が一の怪我に備えてスポーツ保険への加入を推奨されることがあります。
新体操教室にかかる費用
・入会金 :¥3,000〜¥10,000程度
・月謝の相場(幼児/週1):¥5,000〜¥8,000程度
・手具(リボン、フープ、ボール)の費用
・衣装費
・発表会への参加費:¥3,000〜¥50,000程度
入会金や月謝は体操と同等の価格ではありますが、注意したいのが手具や衣装、発表会の参加費です。
衣装は安価で済む場合もありますが、一度着た衣装は次の発表会では着られないといった教室も。
発表会も公民館などで小規模で行う教室や、大きなホールを貸し切って行う教室など様々。華やかな習い事は金額の振り幅も大きいので、入会前に確認しておきましょう。
また将来的に選手になって競技大会に出たいと思った時にかかる費用はこれらの比ではありません。
以下の費用が加担されるため、結構な出費になってしまいます。
・強化レッスン費
・大会の参加費
・遠征費/合宿費
・衣装代
またこれらとは別に、本気で新体操を極める選手たちはバレエを並行して習ったり体のメンテナンスに通ったりするため、新体操を極めていくなら親の方も相応の覚悟が必要と言えます。
ちなみに、新体操とバレエの掛け持ちは決して珍しいことではありません。
新体操でロンドン、リオデジャネイロオリンピックに出場した畠山愛理さんは以下のようにおっしゃっています。
できれば小さいうちにバレエは習っておいたほうがいい。バレエの基礎がしっかりある選手の動きは、見てすぐにわかるほどきれい。ロシアやヨーロッパの強い選手も、バレエの素養があるので演技がしなやかなんです。
引用元:MELOS
しかし、今はカルチャーセンターのようなところで手軽に習える新体操クラブも多いです。
最初はそのような場所で気軽に体験してみるのも良いでしょう。
体操と新体操:何歳から始めるのがベスト?
選手を目指すのであれば、どちらも幼少期に始めるに越したことはありません。
スキャモンの発育曲線によると、生まれてから6歳までの6年間は神経系の発達が目まぐるしく、6歳でおよそ80〜90%が完成してしまうと言われています。(12歳でほぼ100%完成)
つまり0〜6歳のうちにたくさん体を動かすことが、運動神経の良い子供に育てるために重要であると言えます。
また子供は体が柔らかいですが、8歳頃からは関節が硬くなり始めると言われています。
つまり、柔軟性を高めるのに効率が良いのは小学校2年生くらいまで。
柔軟性がものを言う新体操を始めたい方は、そのくらいの年齢までに始めることが一つの目安となるでしょう。
経済的に余裕のある家庭でしたらどちらも習わせてあげるのが理想ですが、そのお金があったら他の分野の習いごとをさせてあげたいと思う方も少なくないです。
体験教室には積極的に参加して、お子さんとの相性なども確かめてみると良いですね。
まとめ
【体操】
・メリット:小学校の体育で困らないこと、強い体作りができること、ルールを守れる子になること。
・デメリット:怪我のリスクがあること、個人戦のためチームワークは養われにくいこと。
【新体操】
・メリット:リズム感・柔軟性・バランス感覚・表現力が身につき、姿勢や所作が綺麗になること。
・デメリット:華やかさの裏に地道な基礎練習が求められること、腰を痛めやすいこと、発表会や選手コースの費用が高い教室が多いところ。特に選手コースは、時間的な拘束も少なくないので学業との両立には工夫が必要。
・体操、新体操共に入会金や月謝の相場はそれほど変わらない。新体操の場合、発表会や手具などの購入費用が別途必要となる場合が多い。
・運動神経を向上させるには0〜6歳期が極めて重要。新体操の場合は、小2くらいまでに始めるのがベスト。
いかがでしたか?
今回は体操と新体操の違いとそれぞれのメリットやデメリットを中心にご紹介してきました。
習い事は教室によって雰囲気や費用なども全く異なるので、お子様の雰囲気やおうちのお財布事情にあった教室を見つけてみてください。